About BBS

BBSとは

BBS
友愛とボランティア精神を基礎とし、
少年と同じ目の高さで共に考え学びあうこと

「BBS」とは「Big Brothers and Sisters」の頭文字をとった略称で、これは当初米国で展開されていた運動に由来します。BBS運動(Big Brothers and Sisters Movement)は、子ども・若者が非行に陥っても立ち直ることができ、生きづらさを抱えながらも安心して生きていける社会を築こうとする、青年が先導する全国的な運動です。

私たちBBSは、「友愛とボランティア精神に基づき、子ども・若者一人ひとりを人として尊重し、同じ目の高さで共に考え、学び合うこと」を理念として、様々な生きづらさを抱えた子ども・若者が、なりたい自分の将来像を描き、主体的に自らの人生を切り拓き、自己実現を遂げていけるよう、一人ひとりに寄り添い、伴走し、その支えとなっていく青年ボランティアです。

活動にあたっては、地域や大学などの学域に設立された各地区BBS会等が、それぞれ活動プログラムの企画、研修、実践活動を行っています。全員がボランティアですが、70年以上の活動を通して培われ、代々引き継がれてきた知識や経験が生かされています。また、法務省の協力団体として、地域においては保護観察所のほか、保護司や更生保護女性会等の更生保護ボランティアの方々と緊密に連携することを基本としながら、地方公共団体や福祉・教育機関等の関係機関・団体との連携や協力・支援により活動を進めています。

BBSは、このような非行や生きづらさを抱えた少年たちへの支援のほか、子ども・若者を地域全体で温かく包み込み、一人ひとりが安全で安心して生きていける明るい地域社会を築くため、青少年の健全育成に同じ年代の若者として問題意識をもって取り組み、排除や差別ではなく、誰一人取り残さない包摂的な社会の実現を目指しています。

BBSの歴史

History

日本のBBSのルーツは、1904年、米国でアーネスト・クールター(Coulter, E.K.)が提唱し始まったと言われるBB(Big Brothers)運動にあります。

その後すぐに始まったBS(Big Sisters)を含むこのような米国での動きは、基督教青年会がBig Brotherを「大兄(あにさん)」と訳した『救済研究』の中で紹介され、日本においても、類似の活動の萌芽が各地で見られました。組織的な動きとしては、1946年になって第二次世界大戦の戦災孤児等の非行対策会議に関する新聞記事を読んだ京都の大学生が、荒んだ社会環境の中で、孤児となり非行に走る少年たちの姿に心を痛め、「非行少年が正しい社会生活を送るためには年齢ならびに社会生活的にも最も近い健全な青少年がよき友人として交際する必要がある」と京都府庁へ投書したことが契機となり、京都少年審判所長(現在の京都家庭裁判所長)の後押しにより始まりました。1947年2月22日、京都女子専門学校(現在の京都女子学園)で「京都少年保護学生連盟」第 1 回創立総会が行われ、1950 年には、「全国BBS運動団体協議会」が設立され、1952 年に「日本BBS連盟」と改称されました。

昭和22年京都少年保護学生連盟
発会式の趣意書

昭和22年ころ大兄姉運動交歓会
京都少年保護学生連盟

揮毫は記念碑建立当時の日本BBS連盟会長
故 古川健次郎氏

1957年には、

一、BBS会員は、友愛と良識をもって、非行少年のよいともだちとなります。

一、BBS会員は、自己の反省と錬磨に努めます。

一、BBS会員は、明るい社会の建設に寄与します。

という会員綱領が制定され、さらに、1967年には、活動類型として、「ともだち活動」、「非行防止活動」、「研さん活動」の3領域を規定するなどしたBBSの基本原則が定められました。BBS発足50周年となる1997年には、社会情勢の変化に鑑み、同基本原則が改定され、活動の対象となるのは非行少年だけでなく、社会不適応少年を含めた活動とされました。そして、日本BBS連盟は2016年にNPO法人となり、活動の基盤を固めてきました。

さらに基本原則は、2023年5月、コロナ禍や子ども・若者の生きづらさの深刻化、社会経済状況や対人関係の在り方等の変容を踏まえて、運動の対象を「生きづらさを抱える子ども・若者」というように幅広く定め、活動の柱を「ともだち活動」、「健全育成活動」、「広報・啓発活動」、「自己研鑽活動」に整理するなどの改定がなされました。